浄土真宗本願寺派 興徳山乗善寺

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法話

慶賀新春

No.638

あけましておめでとうございます。
皆さまにおかれましては、お念仏と共に新年をお迎えのこととお慶び申しあげます。

昨年より流行しております新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた国内外の多くの方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、罹患されている皆さまに心よりお見舞い申しあげます。
また、特に高い感染リスクにさらされながらも、懸命に治療・対策にあたられている医師、看護師をはじめとする医療従事者の方々や各配達員の方々、さらには少しでも感染リスクを下げようと努めてくださっている多くの方々に深く敬意と感謝を表します。

さて、年が明けて、「またひとつ歳を取るのかぁ。」と思われる方も少なくないと思います。子どもの頃ははやく大人になりたい、はやく大きくなりたいと思っていましたが、ある程度歳を重ねると、「歳は取りたくないなぁ。」と考えてしまいますよね。

明治以前は数え年で歳を数えていました。数え年は、お母さんのおなかに「いのち」を授かったときを一歳とし、翌年の元旦に二歳になる数え方を言います。ですから、元旦は皆さんの誕生日とも言えるのです。

満年齢は胎児で在るときの「いのち」は数えられません。数え年は歳が一つ多いだけではなく、「いのち」を大切にした歳の数え方なのです。
家族みんなが元旦に集まって新年の挨拶をする。その「おめでとう」は「お芽出とう」ということです。新たな年を迎え、またひとつ歳を重ねることが出来たことのお祝いなのです。

「おめでとう」とお喚びくださる阿弥陀如来のお心に、「南無阿弥陀仏」と感謝のお念仏を申しましょう。

本年もよろしくお願いいたします。

令和三年 一月