浄土真宗本願寺派 興徳山乗善寺

ちょっといい話

法話

2020

八功徳水

No.597

お盆というと一般的にはご先祖さまが帰って来るといいますが、私たちの浄土真宗では阿弥陀さまのおはたらきによって亡き方やご先祖さまはお浄土に生まれ、仏さまとなられていますのでお盆の期間だけ帰ってくるというような考えはありません。もっといえば、いつも私のところに還ってきてくださり、この私を導いてくださるはたらきをしてくださっていますので、お盆だからと言って特別なお飾りをする必要はありません。たとえば、スーパーなどで売っているお盆セット(果物や団子など)はお下げして食べないのであればあえて買わなくてもいいですし、迎え火と送り火の意味での盆提灯も飾らないのですが、ただ各地の風習も様々ありますので盆提灯があるお宅は仏さまのお灯りとしてお飾りしていただくのもいいかと思います。

また、浄土真宗では他宗さまのように亡き方やご先祖さまのために「喉が乾かないように」という追善の意味で、茶湯器やコップでお水やお茶をお供えいたしません。というのも、仏さまの世界である極楽浄土には「八功徳水」という甘く、冷たく、柔らかく、軽く、清らかで、臭くなく、飲めば喉に良く、お腹にも良いという水が満ち満ちていると阿弥陀経には説かれておりますので、浄土真宗の作法としてはその八功徳水を表すお荘厳として華瓶という仏具を用いてお水をお供えさせていただきます。華瓶はお仏壇の阿弥陀さまの前(上卓)に一対置き、その中に水を入れ、香木である樒をさして香水としてお供えします。樒がなければ青木でも構いません。インドではお水はとても貴重であり、そのお水を香水としてお供えすることで仏さまへの最高の敬いと感謝の心をあらわしてきたのです。
(ただし、お仏壇の大きさや造りによっては華瓶が省かれているものや、小さなものもありますので、無理にお供えしなくても結構です)

私たちは普段の生活の中で、とくに日本では「水」はあって当たり前のようになっています。蛇口をひねれば当然のように水が出てそのまま飲むこともできます。日本ユニセフ協会ホームページに次のようなことが書かれています。「しかし、水道水が飲める国は世界196ヶ国の中で15ヶ国しかなく、茶色く濁った川や病原菌が入ってしまった井戸など、安心して飲める水が身近にない人々が世界には6億6300万人います。汚れた水を主原因とする下痢で命を落とす乳幼児は年間30万人、毎日800人以上にものぼっています。